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こちらの商品はマラケシュにストックしているアイテムとなります。お届けまでお時間をいただくため、お待ちいただける方のご利用をお待ちしております。

 

 

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「Zéro MICA(ゼロ・ミカ)」。モロッコの言葉で「プラスティック・ゼロ」の意味です。レジ袋廃止の合言葉として、2016年から定着したフレーズ。

 

この度、満を持して携帯用の軽量トートをリリースします。

 

 

トート本体は、北部の港街・タンジェで織られた雰囲気あるコットン。男性向けの服地として扱われているテキスタイルですが、薄手なのにとても丈夫。

 

ハンド部分は、南部の砂漠の町・ザゴラの服地店やタムグルートのスークで調達したサハラの女性たちが身にまとうメラハフ。

 

ハンドと共布で作ったポシェタ型の内ポケットに、トート本体がすっぽり収まります。

 

 

刺繍で綴った言葉は、ブランド名「スムスム」の出典でもある「千夜一夜物語」のかの呪文「開けごま」。ブランド創設以来ずっとロゴの刺繍をお願いしている旧市街の刺繍工房にお願いして、アラビア語の文字で刺してもらいました。

 

 

持ち手パーツにフラジールな素材を用いているオーツ(本体カラー:ベージュ)は、軽量の荷物のみのご利用をお勧めいたします。

 

また、特にオーツの持ち手には大柄の絞り染めテキスタイルを用いているため、裁断によって色合いの出方が大きく異なります。こだわってお選びいただきたい方は、恐れ入りますがお取扱店さんにて直接ご覧いただけましたら幸いです。

 

 

 

北と南、地中海とサハラ砂漠、男性性と女性性。正反対とも言えるふたつの要素が渾然一体となって溶け合った「ゼロ」。

 

東の人も西の人も、老いも若きも、あなたもわたしも、きみもぼくも、ボーダーレス、ジェンダーレス、エイジレスでお使いいただきたい携帯トートです。

 

 

 

〈✒︎クリエーション・ノート〉

 

今からちょうど8年前の2016年7月1日。

 

モロッコでは驚くべき政策が施行されました。その名も「Zéro MICA(ゼロ・ミカ)」。モロッコの言葉で「プラスティック・ゼロ」の意味です。

 

その日から、忽然として国中からヴィニール袋の姿が消えました。

 

というのも、数年後の2022年にCOP22(第22回気候変動枠組条約締約国会議)を控えていた当時、マラケシュがCOPP(プレCOP)の舞台として選ばれたことで、モロッコは名誉にかけて環境保全対策を遂行している国という姿を世界に向けてアピールすべき時だったのです。

 

 

一夜にしてレジ袋が廃止になったモロッコ。そして突然の実施にとまどう民衆。

 

そもそも環境に対する認識が深いとは言えない人々に対して、事前の教育や啓発という段階を何ステップも飛ばしての施行。予備知識も心構えもない多くの人々にとっては青天の霹靂のような事態。そういった状況の中で、厳格に断行されたという印象を当時は受けたものでした。

 

昨日まで手ぶらでお使いに行くことが当たり前だった日々。買い物したものの袋がなく両手一杯に野菜や果物やパンを抱えて道ゆく人、落ちてころころ転がって、それを拾ってあげるすれ違いの人。しばらくの間、そんな光景がそこここで繰り広げられました。

 

 

あれから8年。今のモロッコはどうでしょう?

 

スーパーマーケットでは、レジ袋の無料配布を期待する人はほとんどいないと言っても良さそうです。不織布や厚手で頑丈なヴィニール製の大きなバッグが主流になり、パニエやキャリーを使う人たちも少なくありません。

 

とは言え、あたかもゼロ・ミカという言葉なんて存在していなかったかのように、ヴィニール袋を使っているお店もちらほら見受けられます。

 

例えば魚屋。例えば量り売りのスパイスや洗剤屋。エトセトラ、エトセトラ。八百屋でも、いつの間にかヴィニールを復活しているお店は少なくありません。

 

時に実用性の高いヴィニール袋に頼ってしまう場面は、まだまだ多くあります。

 

(それにヴィニールの代替として登場した不織布の小袋が、使い捨てとして過剰に使われている印象も拭えません。)

 

 

かと言うわたし自身も、商品輸出の際にかなりたくさんのヴィニール袋を使っています。

 

いつも悩ましく思う重要課題のひとつですが、せっかく真心を込めて作ったアイテムが雨や雪で傷んでしまう可能性を思うと、どうすることがより環境に負担にならないだろうかと節々で考えます。

 

とは言え、あまりストイックに思い詰めると立ち行かなくなるので、Think globally, act locally(地球を想い、できる身近なことからアクトせよ)の精神だけは忘れずに、日々を送っていきたいと思っています。

 

 

今回、「ゼロ・ミカ」トートを作ろうと思った大きなきっかけは、先日のフランスの空港での出来事でした。

 

免税店で買い物をしたところ、欲しくもなかったトートバッグを買うことになったのです。

 

今までだったら、免税品は透明のヴィニールに入れられてパウチで密封された上で、帰着地までは「開封厳禁」という形で受け取るものでした。

 

すっかりそういうものだと思い込んでマイバッグを携帯していなかったわたしは、レジ係の「ヴィニールを廃止したんです、必要であればこの中から選んでお買い求めください」という言葉で、空港でもプラスティック廃止が本格化したことをようやく知ったのでした。

 

言われてみれば、その少し前にイスランブールの空港で免税品を買った時にも、商品をそのまま手渡されて驚いたことを思い出しました。

(あの時は、トルコ人の職員がざっくばらんでおおらかなのだと一方的に思い込んでいました。。。)

 

 

たった1枚のヴィニールを使わないために、ファスト・ファッションの延長のような名ばかりの「エコ」バッグをその場しのぎで買うこと。この場合の選択肢を天秤にかけてみたとき、一体どうする方が本当に環境に良いのかしら?

 

あらゆる疑問が浮かび、とにかくまず自分がすべきは「持ち歩くのを絶対に忘れないくらいに大好きな、お気に入りの携帯用トートを手放さないこと」だと思ったのです。

 

ヴィニールの使用を1枚でも減らすには?とか、生活費をより節約するには?とか、そういうことではなくて、携帯トートを持つことが「不本意な買い物を減らすため」という動機であっても良いと思う♡ 初歩的で基本的なことかも知れないですが、そんなことに改めて気付いた次第です。

 

 

携帯トートを作りたいという気持ちは以前からずっとありました。と同時に、名ばかりのものであればむしろ「作ってはいけない」という想いもとても強くありました。

 

そんな中、引っ越してきたばかりの新居の近くで目に入り、ふらっと入ってみた紳士用の服地屋さんで。モロッコではあまり見かけない良質な麻やコットンなどの素材に出会ったのです。

 

中でも北部の港街・タンジェの織布工場で織られてるという、薄くて頑丈そうなコットンが気に入りました。

(タンジェは織布の街というだけでなく縫製工場なども多くあって、その様子がフランス映画「Prendre le Large」の中で描かれていたのが印象に残っています。)

 

 

そして、ずっと宝の持ち腐れになっていた、砂漠の町・ザゴラのスークや婦人服店で仕入れたメラハフの存在。メラハフは、主に砂漠地方で女性たちが髪と身体を覆うための長い長い布です。

 

 

北と南、地中海とサハラ砂漠、男性と女性。この正反対とも言えるふたつの要素を掛け合わせて小さな意味を作り出してみよう。最初の小さな一歩に意義を見出してみよう。

 

こんな風にして生まれたポシェタトートです。

 

 

みなさまの日々の中で役立ちますように。そして何よりも、気に入っていただけますように。

ポシェタトート・zéro MICA〈開けごま〉

¥4,950Price
color
  • 本体 

    • 縦/44cm 横/42cm(最大値)

     

    持ち手

    • 長さ/53cm 幅/6cm

     

    *サイズは目安となります。手仕事の品のため個体差がございます。

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