✴︎Sélection Souk✴︎
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心の目で見つめたときに浮かびあがってくる世界。
laRihlaのふたりのフィルターを通したモロッコの魅力探訪。煌めく宝の山の中に、人知れずひっそりと埋まっている原石たち。
とっておきのセレクト品をぜひご堪能くださいませ。
ここでは骨董店や青空がらくた市を歩き回って集めた、美しい古道具たちをご紹介。すべて古き良き時代の一点ものとなります。
<トゥワレグのヴィンテージ・ティーポット>
e.ブティカで紹介をし始めてすでに久しくなった、ヴィンテージの茶道具。
今回ご紹介するのは、砂漠の民・トゥワレグ族のヴィンテージのティーポット。20世紀半ばごろに現在の西サハラ〜モーリタニアに当たる辺りで作られたものと言われています。
定かなことはわからないのですが、ベースとなっている錫製のポットはフランスから持ち込まれたものだと話してくれた古物商もいました。その錫製のポットにトゥワレグ族の手で銅や真鍮を用いて細工が打ち込まれています。デコレーションの意匠は持ち主の家系を示すいわゆる家紋のような印であったり、イスラムの象徴である三日月と星などもポピュラーなようです。
トゥワレグ族のジュエリーでしばしば見られる特徴の黒檀ワークは、蓋のつまみや持ち手のパーツで活かされています。
モロッコと同様、トゥワレグ族たちの間でもいにしえより現在に至るまでお茶の時間はとても重要な文化とされているそうです。日常的な小さな儀式でもあり、もちろん来客をもてなすホスピタリティの象徴でもあります。
装飾の豪華さは、そのままその持ち主のティー・セレモニーに対する気持ちの表れだと言います。繊細なデコレーションを眺めるにつけ、このティーポットたちがかつて一家のステータスでもあったかも知れないということ、財産のひとつでさえあったかも知れないということなどなど、砂漠でお茶を注ぐかつての持ち主のおぼろげな姿に想いを馳せました。
豪奢なデザインのものも見かけましたが、今回は手始めに(当時の感性から言うとおそらくは質素といった表現になるかも知れませんが)細工がシンプルなものを中心に、1-2名用の小ぶりのものを選びました。
サハラ砂漠で作られたティーポットが、長い年月を越えいくつもの海を渡り、はるか遠い日本の食卓に溶け込んでいくだなんて。やはりノマドの精神が宿っているのでしょうか。
わたしたちとともに旅しましょう。
アラビア語で「旅」を意味する「Rihla رحلة」にフランス語の冠詞「la」を付けて、フランス語風に「h」の音を欠落させて読ませた「ラリラ」。
モロッコ国内旅行や世界旅行からのインスピレーションによる、それぞれ日仏出身の男女ふたりによるユニットです。
マラケシュのスークや世界のマーケットやマルシェで掘り当てた、煌めく宝もの。旅先で出会った人々と、彼ら彼女らによるハートが踊る手仕事たち。
はたまた異国をめぐる旅の中で出会った素材を持ち帰り、モロッコの伝統技術で形にする。
エトセトラ、エトセトラ。
心の旅、知性の旅、味覚の旅、意識下への旅。旅をして生きる、旅の中で生きる。
わたしたちが言うところの旅=ラリラが意味することは、仕事と生活と愉しみの間にあるボーダーを消してゆくことを目指す暮らし方。その試みと方向性。
「生活」「人生」という名の旅を心から愉しみ味わうためのエッセンスを、物や人を通してみなさまとシェアしてまいります。
〔Sélection Souk〕トゥワレグ族のティーポット⑥✴︎
✴︎本体
高さ:約19cm
直径:約8.8cm(胴)
幅:約21cm(注ぎ口から持ち手までの最大幅)
